『精霊の守り人』 全26話(TVアニメ版) 第五話「秘策、青い手」

第五話「秘策、青い手」

「ちょっと診せててもらうよ」

トロガイはチャグムのお腹に手を当て、体の中を覗き込む。

そして顔を上げると、チャグムに宿るものが「精霊の卵」であることを教える。

精霊の卵は、100年に一度現れる水の精霊の卵だった。

チャグムはナユグの精霊から「精霊の守り人」として選ばれた者だったのだ。

「無理じゃな」

何とか卵を取り除いてくれないか?とのバルサの頼みを、あっさりと否定する。

逆に、バルサはトロガイから、「一生この子の面倒を見るつもりか?」と聞かれる。

バルサが背負わねばならないのは、チャグム一人の命ではなく、卵が伝説通り水妖となった時に襲ってくる大干ばつも含めた、新ヨゴとヤクーの人々の命であった。

「はい、その上で全て何とかしますよ」

バルサの決意は変わらない。

「ふふふ、呆れたバカだね」

バルサは皆に、追ってを振り切る”ある秘策”が有ると話し、協力を頼む。

都では、チャグムは死んだものとして、民へと発表され、葬儀が着々と進められていた。

タンダとトーヤ、サヤの三人は、村に身を寄せる途中の山道で、武器を携えた村人とすれ違う。

「山狩りだよ。バルサという女が火を放ち、王子が亡くなったそうだ。そいつをひっ捕らえるために明日の朝、大規模な山狩りを行うそうだよ」

村人から話を聞く、とタンダは叫んだ。

「お前たちは山小屋に戻れ。バルサにこの事を知らせるんだ」

タンダは、バルサが過去に因縁を持つ「青い手」という屋号の店を、ある買い物のために訪れる。

バルサが、ニノ妃から受け取った王宮の宝で、それを買うつもりだ。

「お客さん、どうしてここへ?」

奥から、隻眼の主人が現れた。

タンダが、この店はバルサから聞いて来たと答えると、隻眼の男の態度が一変した。

「そいつは短槍使いのバルサか?」

男が叫ぶや否や、血相を変えた若い衆もなだれ込んできた。

「ただ商品を買いたいだけなんだ。俺は、何を扱っているかまでは聞いていない」

タンダは、冷静に話し合おうと持ち掛ける。

「うちで扱っている商品は人間なんですよ」

隻眼の男は答える。

「バルサ!どういう事だ。訳を聞こう」

隻眼の男が、山小屋に駆け込んできた。

「じゃ、商談といこうか。今、手持ちは?」

「人数にして30」

「いいねえ、みんな買い取るよ」

「代金はそのお宝で。あんたは捕えている人のアジトの鍵を、開けるだけでいい。自由にしてやってくれ」

「読めたぜ。お前の腹が。こいつは面白え」

「あんたの馬も貰おうか」

「ひとつ、貸だからな」

眼帯の男はそう言うと、山を下りていく・・・

青い手から馬も買い取り、山狩りの開始に備えるバルサ。

これこそが、バルサの秘策であった。

第五話 終

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