横山光輝(ロボットもの:鉄人28号・ジャイアントロボ・ダイモス…)

SFから忍者もの、さらには歴史ものまで、長年にわたり幅広い分野で作品を発表し、数々のヒット作を生んできた漫画界の巨匠・横山光輝氏。

『伊賀の影丸』、『バビル2世』、『三国志』等、数ある代表作の中から、今回は巨大ロボット漫画の先駆けとなった『鉄人28号』を初めとする、ロボットものに焦点を当ててみました。

鉄人28号

1956年(昭和31年)、月刊誌「少年」で連載開始。

ロボット漫画としては、手塚治虫氏の代表作『鉄腕アトム』と並ぶ先駆的な作品で、後にテレビドラマ(実写版)や、アニメ化もされた大ヒット作です。

主人公・金田正太郎少年が、亡き父の発明した巨大ロボット・鉄人28号を操り、悪の組織・PX団と戦う勧善懲悪もの。

正太郎少年の持つ操縦機一つで、悪魔にも正義の味方にもなれるところが大変魅力的でした。

『鉄人28号』は、横山氏が映画フランケンシュタインをヒントにして、秘密結社に操られる破壊の巨人として創造されましたが、第二次世界大戦のロボット兵器として開発されていたという設定に、未だ戦争の記憶が消えない昭和30年代前半という時代を感じます・・・

昭和31年の春から11年間描き続けてきた本作品ですが、原作の最終回は、恐竜ロボ・ギャロンとの戦いで左手を失いながらも、怪人たちの隠れ家を破壊して組織を壊滅させ、鉄人と正太郎少年が我が家に帰るところで終わります。

「・・・鉄人はその間、強いロボットを相手に戦い続け、すっかりくたびれちゃたんではないかと思います。

ここらで、ひと休みさせようというわけです・・・」

鉄のサムソン

1962年(昭和37年)から1964年(昭和39年)にかけて、小学館の学習雑誌「小学一年生」から「小学四年生」まで連載されたロボット漫画です。

小学生の高山のぼるは、巨大ロボットのサムソンをお化け屋敷の博士から譲り受け、サムソンは悪人をやっつけて大活躍します。

サムソンは戦いのあと、必ず、のぼるとパパのもとに帰ってくる・・・

宇宙の隕石をエネルギーにして100年間動き、のぼる少年の腕時計型リモコンで操られる、強敵ガイタンクを叩き潰した無敵のサムソンのカッコ良さが、子供たちの間で大反響を呼びました。

サンダーボーイ

1962年(昭和37年)から1963年(昭和38年)にかけ集英社『少年ブック』で連載。

ロボット学者の古城博士は、息子の健児をモデルにした、等身大のそっくりロボット、サンダーボーイを作った。

それは、鉄人のような巨大ロボットでは無く、落雷のエネルギーで動き、健児のテレパシーに感応するスーパーロボットだったのです

サンダーボーイの素晴らしに、ロボット狂の科学者・ダックは、自分のものにしようと、サンダーボーイを執拗につけ狙います。

他にも、怪盗メノウや、ギャングの親分ゴルゴン、手下のシバやレミントンらが、サンダーボーイの前に立ちはだかります。

幸い戦いには勝ちましたが、サンダーボーイにある悲劇が訪れます。

サンダーが今の時代にはまだ早すぎることに気付いた古城博士は、サンダーを秘かに処分する決心をするのです。

「今の時代には、まだこんなロボットは早すぎるのかもしれない。

ともかく、もう二度とサンダーボーイは君たちの目の前には現れることは無いだろう。

さあ健児いこう」

その後、サンダーボーイは二度と現われることは無かった。

海底深く沈められたのか。

それとも地中にうめられたのか・・・

また古城博士の噂を聞いたものもいなかった。

みどりの魔王

小学館の学年誌に、1965年(昭和40年)「小学四年生」から、1966年(昭和41年)「小学五年生」まで掲載。

アマゾン川の奥地で発見された、ピラミッドの中で眠っていた緑の巨人。

そいつは、空を飛び、海中に潜り、コンクリートを粉々に砕き、銃弾を跳ね返し、重力を変えて敵を倒す、まさしく魔王。

彼をコントロールする方法は、金の輪。

最初に輪をつけた者の命令に従う、宇宙人の作ったロボットであった。

日本から移民してきたジャングルの少年ワタルは、黄金の輪を装着し魔王と友達になった。

さらに、ロボット学者のゴラム博士は、ヘルメスやザガーといったロボットを作り、魔王の力を欲しがる。

盗賊ドクロ団に両親を殺されたワタルは、みどりの魔王と一緒に両親の仇を討つのであった。

ジャイアントロボ

1967年(昭和42年)から、1968年(昭和43年)まで「週刊少年サンデー」に連載。

世界征服を狙う秘密結社・ビッグファイア団は、三体の巨大ロボットを建造した。

◆GR1(ジャイアントロボ):原子力エンジンを搭載し、頭からミサイル、目からレーザー光線、ベルトから熱戦を発射する地上戦用ロボット。悪の兵器として開発されたが、草間大作の声にのみ反応し命令に従う、正義のロボットとしてB・F団と戦う。

◆GR2:水中戦用ロボット。素早く水中を移動し両腕はロケット噴射で飛び出していく。GR1に陸上で戦い敗れる。

◆GR3:空中戦用ロボット。背中の翼とロケットエンジンで飛行する。頭の角からショックエネルギーを放射する。GR1の灼熱光線砲により溶かされた。

漫画版の最後は、BF団が隠し持っていた最終兵器である水爆を、海上自衛隊の協力を得て発見し、BF団の野望を阻止したところで終わります。

どちらかと言えばハッピーエンドで終了しますが、テレビドラマ版は漫画版とは異なります。

漫画連載から半年後に、特撮ロボットものとして放映された、テレビドラマ版『ジャイアントロボ』

もともと、テレビ化を前提にして原作されたようですが、子供の頃、夏休みになると必ず放映されていたせいもあり、漫画版よりこちらの方が有名でしょう。

ドラマ版のラストは、金子光伸氏演ずる草間大作少年の命令に背き、ギロチン帝王もろとも隕石に激突して爆死する道を、ロボ自らの意志で選択します。

むてきごうりき

1969年(昭和44年)に小学館「幼稚園」で連載開始。

ごうりきは、やまべ博士が開発した、空を飛び海に潜る、無敵の万能ロボットだ。

博士と、たけしと妹のゆりは、ごうりきの頭部のコックピットに乗り込み、ドクロ団相手に大活躍します。

口から熱風を吐き、両方の腕はロケットで飛出し敵を粉砕する・・・どこかで見たことある設定ではあるが、とにかく、ごうりきは、名前通りの怪力とユーモラスな顔で悪を懲らしめるのであった。

サンダー大王

1971年(昭和46年)10月号から、1972年(昭和47年)11月号まで、月刊誌「冒険王」に連載。

北アフリカのサハラ砂漠、そこで財宝と共に眠る巨大な神像は、古代アトランチス大陸の守り神として作られたロボットだ。

地殻変動でアトランチスは滅びたが、再び火山活動が起こり、その一部が地上に現れ、宝を盗みに来た悪人に、黄金のカブト虫とサンダー大王を盗まれた。

無敵の巨大ロボット・サンダー大王を悪用させてはならない。

サンダー大王は、黄金のカブト虫を持つ人間の命令だけに従うように作られている。

世界中が、その力に注目し、狙い、ついには悪の組織スパイダーまでもが動き出す。

軍人のステンガーと、アトランチスのただ一人の生き残りシンゴ少年の活躍が始まる。

サンダー大王は、陸海空、縦横無尽に暴れ回り、目から強力なレーザー光線を発射し、その剣は数万度の高熱を発し、あらゆるものを飴のように溶かしてしまう。

サンダー大王を手に入れようと、出撃したロボット達。

◆ドラゴン:チンタオ博士が開発したロボット。角からビーム、口から火炎を放射する。

◆精鋭部隊:同じくチンタオ博士の作ったロボット部隊。海から空へと大王奪取の為動き回るも、全滅した。

◆ブラックホーク:サンダー大王奪取のため、スパイダーが差し向けたロボット。頭部の角から放電するも、同時にそこが弱点でもあった。最後は頭に剣を刺され爆発する。

◆メドゥサ:スパイダー製ロボット第二弾。頭部の蛇から火炎放射、体をバラバラに分解して大王の攻撃をかわすも、最後は熱で溶融し海底深く沈んでいった。

無敵の力を悪人に利用させてはならないと、シンゴとステンガー大佐はサンダー大王と共に身を隠そうとする。

しかし、捕えられたステンガー大佐は、上司であるジュピック将軍に、サンダー大王の秘密を打ち明けるのであった。

アトランチス人が全知全能を傾けて作った無敵のロボット・サンダー大王。

もし、サンダー大王が強敵に負けるような事があれば、体内に仕掛けられた水爆が爆発するようになっている事を・・・

「私はこの話を聞いたとき、サンダー大王は元の神殿に納まるか、人が発見しない場所に隠すべきだと思ったのです」

ダイモス

1973年(昭和48年)から、1974年(昭和49年)にかけて、「小学四年生」と「小学五年生」に連載された。

何千年前の昔、火星ではダイモス族と、フォボス族が超文明を築いていた。

しかし、二つの種族は「どちらがより優れているか」を理由に、常に争っていた。

そして遂に核戦争を起こし、火星は死の星となってしまう。

このとき、わずかに生き残ったダイモス族と、フォボス族は火星を捨てて地球に脱出した。

フォボス族は、地球支配を企むが、ダイモス族はそれを阻止してきた。

フォボス族の野望を打ち砕けたのは、守護神ともいうべき、ダイモスがいたからであった。

それから、時は流れ現代、ダイモス族が隠れ住む山村は、フォボス族の奇襲を受け、真介を除き皆殺しにされてしまう。

ただ一人、生き延びた真介は巨大ロボット・ダイモスを発見し、フォボス族に復讐する。

フォボス族はダイモスの反撃に備え、包囲網を敷くも、ダイモスは次々と突破していく。

フォボスは、ダイモスの圧倒的パワーを目の当たりにし、狙いをダイモスを操る真介に絞る。

「少年を倒せ!奴を倒せば、ダイモスはただの鉄の塊にすぎない」

総力戦を覚悟したフォボスは、最強兵器の巨大潜水艦ロボット・シードラゴンを投入するも、最後はダイモスがシードラゴンの胴にしがみつき、高熱で海水温度を上昇させて魚が大量死するほど沸騰させ、中に乗り組んでいたフォボスは降伏する。

フォボスを倒したダイモスは、真介を手の平に乗せ、夕日に向かって飛んでいく。

その後、ダイモスも少年も、どこに身を隠したのか、誰も見た者はいなかった・・・

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