「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親・堀井雄二、原作のアドベンチャーゲームです。
1983年に日本初の本格推理アドベンチャーゲームとしてパソコン版が発売され、その二年後にファミコン版が発売されました。
本作品は「堀井ミステリー三部作」の第一作目です。
後の二作は、「北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ」
PC版は1985年ログインソフトから、1987年にファミコン版がアスキーから発売されています。
「軽井沢誘拐案内」
1985年にPC版がエニックスより発売されましたが、ファミコン版は発売されませんでした。
アドベンチャーゲームは事件発生とともに始まります。
難事件、怪事件が起こるぞと、ゲーム雑誌に予告されると、名探偵、迷探偵、はぐれ刑事といろいろなファンが、ゲームショップに出没し、巷をにぎわせます。
当時は、今のようにネットで通販などは無く、ゲームが欲しければショップで買うしかありませんでした。
推理小説と違い、AVGは自分が主役の探偵や刑事になれるところに醍醐味があります。
推理を働かせ、難事件を見事に解決したときは、たかがゲームといえども爽快感が残るものです。
また、本作品のように刑事が殺人事件を追うような展開では、聞き込み役や尋問などでどうしても会話が必要になってきます。
そこで、プレイヤーたる主人公に部下を同行させ、部下が命令を実行するという設定になったのです。
そうして誕生したのが真野康彦であり、彼のおかげでプレイヤーは主人公になりきれ、推理と指示に専念できました。
プレイヤーもゲームを進めるにつれて彼を仲介役として認識し、特別な感情を抱くことは、まずありません。
だが、物語がラストを迎えると衝撃の事実が判明します。
そのニュースがゲームショップや雑誌を介して全国を流れ、プレイしていない人でさえ、「○○は○○」と知っていたほどの伝説のソフトなのです。
オリジナルであるPC版では、コマンドは全てキーボードで打ち込む必要がありましたが、ファミコン移植にあたり、コマンド入力式となり、実際に入力した際には部下の真野康彦から何かしらの反応があり、そのやり取りもゲームの楽しみに一つになっています。
ファミコン初のアドベンチャーとして登場した本作品ですが、エニックスは当初RPG「ドラゴンクエスト」を販売する計画を立てていました。
しかし、アクションしか確立していなかったファミコンゲーマーにいきなりRPGではハードルが高いと踏み、まずは比較的ルールが簡単なアドベンチャーでコマンド選択に慣れて欲しいという想いから本作品の移植が実現しました。
1981年に、神戸で開催された「ポートアイランド博覧会」。
「ポートピア81」の愛称で親しまれ、地方博ブームの火付け役となりました。
この博覧会の成功は、兵庫県出身の堀井氏が本作の舞台を「神戸」にする、きっかけにもなりました。
実際に神戸港に行ってきました。
ゲームにも登場する観覧車が見えます。
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